先日、エルメスのサプライヤーとして
長きにわたり活躍されていた
フランス人の女性と
お話しする機会がありました。
(今は引退されています)
フランス語はもちろん
日本語、英語、ドイツ語が堪能で
世界中の顧客を相手にエルメスの
スカーフを提案されていたそうです。
そのなかで、日本人のお客様に対して
「未だに意味がわからない」
といっていた面白い話がありました。
スカーフを買いに来た
日本人のお客様。
スカーフを見ながら尋ねます。
「この柄は、他にどんな色が
あったのですか?」
事前に他にどんな色があったかとは
お話ししていなかったのですが
そのスカーフは、他にも
カラーバリエーションがあったため
すでに売り切れてしまい、追加生産も
行う予定はありませんでした。
「ピンクとブルーがありました」と
お伝えすると
「そうなんですか、、ピンクは
可愛かったんでしょうねえ…」
「………」
こういった質問をされる日本人のお客様が
結構多かったようで
長い年月がたった今でも
疑問に思っており
理解できないと言っておりました。
日本人の私としては
なんとなくわかります。
もうないカラー=人気カラーと思いがちなので
人気のあるカラーが欲しいかったのではないかと。
売り手側の立場ですと
そもそも売れる色を多めに作ることが
多いので
そういうことではないのですけどね。
彼女的には
ないことをいちいち考えたって
仕方ないのに、なんで聞くの?
という事らしいです。
ないものはないわけですからね。
何でそこを考えるんだ?と
思われるのは当然ですよね。
私がおもうに、日本人は、他人と違うことを
嫌う協調性豊かな人種なので、
みんなと同じ、みんなが買った色をほしがるのだと
考えています。
日本人は流行の服があると
みんな似たような格好をしますよね。
日本のスーツ姿の男性達は外国の方から見ると
「ペンギンの群れ」に見えるそうですよ。
アミーチのみなさま、
海外でお買い物されるときは
こういった質問をしないように
気をつけませう。
海外はけっこう性格きつめの
女性がおおいので
エルメスではおそらくないでしょうが
普通のショップだと
「ハァ?」という顔をされかねません。
ちなみに、シンフーライフでも
売り切れのカラーに
「再入荷はありませんか?」という
問い合わせがよくありますが
「お客様がほしがっている!」と思って
取り寄せて在庫をいれたにもかかわらず
そのお客さまが買わないということが
よくあります。
ようするに、「ないものねだり」なのです。
手に入るとわかった瞬間に
その人のなかで価値がなくなり、ほしくなくなる。
男女の関係にもよくにているかも……
セレクトショップ・シンフーライフ 店長/ウェブマーケティング/バイヤー
10年以上のバイイングとECサイト販売の経験から得た商品選びのポイントや業界裏情報、自分が働いている中で衝撃を受けたファッションの話題を提供しています。