【第35話】
この物語は、キャリアウーマンの
「ワンコ」とOL達が繰り広げる
リアルお悩み相談バラエティです。
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【登場人物】
ワンコ:
入社3年目。
社長がスカウトしてきた毛並みの良い猫。
シンフーライフで最も利益を生み出す
スーパーキャリアウーニャン
タダシ:
ワンコの部下。32歳
フミエ:
ワンコの会社の先輩。
ムードメーカーだが、
おっちょこちょい。
バツ1、子供ナシの43歳
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営業先から会社に戻ると、
なにやらフミエとタダシが
言い合っている
キャバ嬢に高価なバッグを
プレゼントしようとしている
タダシ。
前々回までのお話【その1】はこちら
前回までのお話【その2】はこちら
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完璧な男性がいない以上、
まず今の自分が置かれている状況の中で
ベストな選択をしようとするのが女性です。
とくに付き合っている人がいないとして、
とてもやさしくて、経済力もある男性が
自分に好意を持っている場合、
とてもうれしいわけじゃないけど、
いないよりはいるほうがマシだし、
付き合っているうちに好きに
なっていくかなって感じで
付き合います。
それ、あるわよね
しかし、
「付き合っているうちに
好きになっていくかな」
願望がうまくいくことはありません。
わかる。。だいたい、
好きにはならないよね。
なんでですか?男はあると
思いますよ。
はい。男性はあります。
その女性とつきあうにあたって、
好きでいてくれるなら、
メリットしかないからです。
しかし、女性の場合は、
メリットばかりではないんです。
例えば、好きでもないのに
世話しないといけないし、
好きでもない人の子供を産むのは
本来嫌ですし。
むむむ。。
でも、「妥協すること」は、
生きていくために、
そして、結婚とか、妊娠とかのために
色々と考えたその人なりの結果といえます。
しかし、
しかし?
もし、そこに自分にとって
理想的な男性がいたら
どうでしょうか?
妥協して付き合っている男性がいるのに
目の前に心から好きになる男性が現れたら?
そんなのすぐに鞍替えするわよ。
しかし、その理想的な男性は、
自分のことを好きか
そうでもないのかわからないとしたら?
ただの仲のいい友達としか
見てないかもしれないし、
もしかしたら、ただのお客としか
思っていないとしたら?
そんなの自分のこと好きな
今の彼女のほうがいいですよ。
・・・・確かにそれは
つらいわね。
え?そうなんですか?
はい。女性は妥協と遺伝子レベルの
恋の間で揺れ動く生き物です。
・・・
なんかかっこいいですね。
遺伝子レベルで理想の男は
一緒にいて楽しいですし、
会えるだけでハッピーな気持ちになります。
当然、そういう人の子供を産みたい。
その通り
だけど、その選択が間違えることも
ありますし、またそんな男が
目の前に現れないことも
よくあることです。
まったく、その通り!
でも、ある年齢にさしかかった女性には
男性が必要なんです。
だから妥協します。
妥協は悪いことでもなんでもなく、
生きていくための女性の
もってうまれた本能なんです。
ということは、ワンコさんが最初に
話してくれた
彼氏に買ってもらった高いバッグを
ホストにプレゼントするというのも・・
彼氏が妥協で、
ホストが理想ということね。
ん?ちょっと待ってください。
そうすると、僕が彼女に
買ってあげる30万円のバッグも、
彼氏ではない誰かに
プレゼントされるかもしれないって
ことですよね?
タダシ君の場合は、
彼女でもないけどね。
そのキャバ嬢さんに限っては
そんなことはしないかも
しれませんけどね。
いや、でもさすがに
不安になってきた
そのキャバ嬢さんでなければ、
絶対に嫌ですか?
まあ、かわいいし、相手も
好意を持ってくれているので
好きですよね
好意をもってくれてる・・
タダシさん、この女性、
どう思いますか?
(スマホの画面をみせる)
え、ちょーかわいいじゃ
ないすか。
ワンコさんの友達ですか?
はい。アリサさんです。
21歳で六本木の高級クラブの
ナンバー2なんですよ。
六本木の高級クラブかー、
さすがにかわいいですよね。
いくらすんだろ?
もし、アリサさんが、
タダシさんのこと大好きで
たまらないとしたら?
ほえ?
いやいや、無理っすよ。
そんなことありませんよ。
え?なんでですか?
この子は私のことが大好きなので、
なんでも言うこと聞いてくれるんです。
わたしが尊敬してる男性だと言えば
最初の印象がマックス高いです。
そうすれば、同じことしても展開が
イージーに進みます。
出会ったその日に・・・
って考えてみてください。
・・・・
マジすか?
マジです
え、え、ワンコさんにいつも、
仕事でもフォローしてもらってるのに、
こんなことまでしてくれるなんて。。
どうしてですか?
つい、昨日も、
ワンコさんが作成した資料を
間違ってるとおもって、
勝手に修正したら、僕の方が間違えていて、
社長にワンコさんが怒られていたのに
僕はなにも言い出せなかったのに・・・
(そんなことしてたのか・・)
もしかしてワンコさんも
おれのこと・・
絶対に違います。
・・・ですよね。
タダシさんの猫好きは
本物じゃないですか。
確かに幼少期から、
猫とともに暮らしてます。
わたしは猫好きな人間には
幸せになってほしいだけです。
ワンコさん。。
タダシさんには、タダシさんに
ふさわしい女性と
付き合うべきです。
うう。。(泣)
じゃあ、紹介してもらっていいですか?
あれですよね。
その高級クラブに一度は行くとかじゃ
ないですよね?
もちろんです。連絡しときます。
ただ、1つだけ条件があります。
なんですか?
彼女は、六本木の有名店の
ナンバー2なんです。
男に対する嗅覚が
ハンパないです。
ハンパないんですか・・
だから、タダシさんが、そんな、
別のキャバ嬢にゾッコンになってる
なんて知ったら、
プライドが許さないんで、
その瞬間アウトですよ。
今おつきあいしてる女性を
清算してしっかり向き合って
あげてほしいんです。
付き合ってないけどね
六本木のナンバー2も
プライベートでは
ピュアピュアなただの田舎娘です。
アリサさんは、2年前に広島から
上京してきた苦労人なんです。
大切にしてあげてほしいんです。
ワンコさん!
はい。
そのキャバ嬢とはあくまで
お客という立場での疑似恋愛です。
もちろん、本気ではありません。
そうなんですか?
はい。そういうところで遊んで
擬似恋愛を楽しんでるだけなんで、
別に支障ないです。
でも、相手は実はタダシさんのことを
すっごい素敵な殿方だと
お慕いしてるかも
しれないじゃないですかー
ないない。だって何回も通って
何回もプレゼントしてるのに、
昼間デートしたことも
ないんですよ。
そうですかー?
ただの照れ隠しってこともありますよ。
キャバ嬢あるあるですよ。
昼間の顔がメイク薄くて恥ずかしい
みたいな。
断じて、遊びです!
(あっちの方がな)
でも、私の大切な友達を
紹介するんだから、
ちゃんときっちりと清算したって、
証拠が見たいですよね。
そうだ。タダシさん、
いまからLINEしちゃいましょうよ。
「好きな人いるから、もう、
お店にはいけないって」
・・そうですね。。
でも本当に遊びで行ってるだけなんで、
ライトな関係だからそこまでしなくても
いいかなって思うんです。
もちろん、その通りだとは思いますけど、
念には念を入れておきたいですよ。
相手のキャバ嬢は
どう思っているのかなんて
わかりません。
ストーカーとかになったら困ります。
実際、タダシさんから見て、
アリサさんとそのキャバ嬢さん、
どっちがかわいいですか?
いや、それは、明らかに
アリサさんの方が全然
かわいいです。
もちろん、容姿だけじゃないのは
わかります。
一緒にいて楽しいなとか、なんか、
人には言えないようなところも
すごくいいなとか。
でも・・・
でも?
・・・アリサは、色んな意味で
半端ないですよ。
ハンパない。。
え。。マジすか?
猫は嘘つきません。
もちろん、信じてます。
猫は嘘つきませんよね。
。。わかりました。
今からLINEします。
・・・
・・・送りました。
よかった。これで無事、
私の友達を紹介できます。
彼女にタダシさんのアカウントを
教えておきますね。
よろしくお願いします!
じゃあ、アリサとの週末の
デートに向けて、頑張って、
2つの資料作成と分析レポート
お願いしますね。
わかりました!
それと、社長には自分から、
ミスしたことを申し出たほうが
いいと思いますよ。
あ。。はい。今日話します!
いいですか?いま、過去は清算
されたとしても、アリサさんは、
とっても嗅覚鋭いですからね。
他のキャバ嬢といい感じに
なっていることがわかったら、
プライドが許さないので、
それで終了です。
くれぐれも注意してください。
わかってます!ワンコさん!
本当にありがとうございます!
頑張って仕事します!
(タダシ、デスクに戻る)
ねーワンコちゃん、タダシに、
あんな素敵な女性紹介していいの?
絶対に釣り合わないじゃない。
大丈夫ですよ。
ちゃんとはっきり容赦なく
断るように言っておきますから。
どういうこと?
アリサさんは、本当はキャバ嬢じゃ
ありません。
女優の卵さんです。
わたしの縄張り内に
彼女の家があって、
彼女の飼ってる猫をオス野良から
助けたことがあるんです。
・・・そうなんだ。
容赦なく、だけど、うまく
断ってくれると思うので、
タダシさんも次の恋愛に向けて
いけるはずです。
30万円のバッグを買って、
フラれるより、ダメージ
少ないですからね。
なるほど。。
タダシさんも大事な社員です。
お仕事に支障が出たら
連帯責任ですからね。
たまたま聞けてよかったです。
あーーー
どうしました?
あ、いや、さっきLINEした
キャバ嬢から返事きて
「好きな人できたから、
もうお店には行けない」って
言ったんですよね?
・・はい。そうなんですけど。。
ん?どれどれ・・・
あ。。
(LINEをのぞき込む)
「キモっ!!」って・・
一言?
・・・・・・・・
【次回のストーリーへ続く】
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