【第43話】
この物語は、キャリアウーマンの
「ワンコ」とOL達が繰り広げる
リアルお悩み相談バラエティです。
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【登場人物】
ワンコ:
入社3年目。
社長がスカウトしてきた毛並みの良い猫。
シンフーライフで最も利益を生み出す
スーパーキャリアウーニャン
ルビア:
大阪の傘メーカーで働くデザイナー。
ラブラドール・レトリバー
社長:
大阪で50年以上
傘メーカーを営む社長
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大阪に到着したワンコ。
取引先に向かっている途中、
スマホを見ながらため息つく犬を発見。
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はあーー
犬、財布を落とす
すみません。
・・・・
すみません。
・・・・
ワンコ、犬の前で財布を出す
うわ!!
いま、財布落としましたよ。
あ、すいません、
ありがとうございます。
財布を受け取り、去っていく犬
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取引先の玄関で
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ごめんください。
はいはい。
お忙しいところ失礼いたします。
わたくし、シンフーライフの
ワンコと申します。
お待ちしておりました。。
って、ワンコさんって
ガチの猫さんだったんですか?
てっきり、猫っぽい女性が
来るのかと思いましたわ。
驚かせてしまい、
申し訳ありません。
いやいや、こちらこそ、
勝手に勘違いしまして。
ほな、汚いところですけど
おあがりください。
失礼いたします。
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応接室にて
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いやー、うちにも、
犬のデザイナーがいるから
慣れてはいるんですけどね。
はじめて会いましたんで、
働く猫さんに。
・・犬の方がデザイナーを?
はい。もともとは、
うちの従業員が飼っている
ラブラドールレトリバー
だったんですけどね。
デザインしたがるもんだから、
やらせてみたら、
他のデザイナーよりいいもんだすんで、
うちの専属にしたんですわ。
そうなんですね。ご縁ですね。
ところで、御社は
もう50年以上なんですね。
日本のメーカーが
毎年少なくなっていく中で
すごいですね。
実際は私の父親が
戦前からやってました。
高度成長期に大きくしたんですが、
それからは中国や韓国などの
人件費の安い国でつくった
傘に勝てなくてね。
色々と試行錯誤してるんですけど、
なかなか。。
しかし、社長のところの
ルビア・レインという傘は
とても素敵だと思いました。
なんでも、ワンコさんが
どこかのお店で
見つけてくれたとか。
はい。なにげなく
売られていたんですけど、
見た時に素晴らしいものだと
感じました。
確かに、1本数万円する、
伝統工芸のような
風格ある傘もあります。
しかし、傘はなくすもの。
なくすことが必然です。
そうそう。
だから、そんなに高いもんは
傘としてどうかと思います。
かといって、500円のビニール傘を、
すべての人が好むかといえば違います。
特に女性の場合、
オシャレ感度の高い女性は
コーデにビニール傘は
バランスも悪くストレスなんです。
なるほど。
このルビアレインを見て、
思いました。
雨が降ったら
コンビニで傘を買えば済む時代。
しかし、感度の高い女性ほど
残念な傘をさすわけにはいかない。
しかし、電車で、カフェで、
そして居酒屋で。
傘を失うことは必然。
傘をなくさないように注意する
エネルギーは、現代の働く女性に
残されていないと思うんです。
安っぽくない。だけど惜しくない。
そして、デザインも甘くはない。
女性だから、ラブリーキュートな
傘を差すわけではないこの時代に
クールビューティーなコスパ雨傘。
それがルビアレインだと。
いやー、ワンコさん、
久しぶりに感動しました。
うちの傘をそこまで考えてもらって
わざわざ東京からきていただいて。
ぜひ、うちの傘を扱ってください。
恐れ入ります。
うちのルビアにも
今の話を
聞かせてほしいですわ。
ルビアさん?
外国の方ですか??
あー違います。
さっき言った
ラブラドールレトリバーです。
ルビアっていうんで、
傘のブランドが
ルビアレイン。
なるほど。
最近、ルビア、
スランプなんですわ。
スランプですか?
デザイナーには
よくあるんでしょうけど、
結局、ワンコさんのとことちがって、
多くのお客さんは
値段が高い高いっていうんです。
一本数千円で売る傘に
そんなにデザイン
こだわられてもって。
そうするとデザインするときにも
あんまり時間かけられんし、
どこかにあるようなデザインを
ちょっと変えるだけみたくなるんで
情熱が失われて
きてるんでしょうな。
・・・そうなんですね。
ちょうどルビアいま
デザイン中なんで、
案内しますわ。
あ、はい。
ところで、ワンコさんは、
なにかその種類ってのは
どんなですか?
あんまり猫には詳しくなくて
私は、人間の方がいう
いわゆる雑種です。
あーそうなんですか。
別嬪さんだから、
なんかすごいのかと思ったら、
逆に親近感わきますな。
私は生粋の大阪人ですけど。
ふふふ。
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デザインルームに到着
————————————–
おい、ルビアー
誰も返事しない。社長、犬に近づく
おい、ルビア!
あ、はい!すみません!
また、ぼけーっとしてからに。
お客さんがきとるんで、挨拶して。
あ、はい。
あ、こんにちは。
先程お会いしましたね。
あ、どうも。
さっきは
ありがとうございます
さっき会いましたんか?
社長の携帯が鳴る
あ、すんません。
ちょっと失礼します。
ルビア、ワンコさんに
傘のデザインコンセプトを
説明してあげてな。
社長、立ち去る
傘のデザイン
コンセプトですか?
はい。とても素敵なデザインだと
思うんで。
私たちも取り扱わせて
いただくんです。
ありがとうございます。
でも、そんなたいそうな
デザインコンセプトが
あるわけではないんですよ。
今は、価格ありきですし、
デザインもあまり尖ったものだと、
セレクトショップでさえ、
受け入れてもらえないし。
・・・社長がそんな感じで、
ルビアさんがデザインへの
取り組みに悩んでいると
言ってました。
・・・まあ、そうですね。
もちろん、好きなデザインばかり
できるとは思ってないですけど、
傘だからって、もっといろんな
デザインの可能性があるっていうか。
そこは表現したいんですけどね。
でも、一番の悩みは
そこではないんですよね?
え、
どういうことですか?
ルビアさんが悩んでいることって、
もっと違うことじゃないですか?
例えば、好きな人のこととかで
悩んでいるとか?
・・・どうしてわかるんですか?
次週につづきましょう。
【次回はコチラ】
→第44話
【前回はコチラ】
→第42話
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セレクトショップ・シンフーライフ 店長/ウェブマーケティング/バイヤー
10年以上のバイイングとECサイト販売の経験から得た商品選びのポイントや業界裏情報、自分が働いている中で衝撃を受けたファッションの話題を提供しています。