【第45話】
この物語は、キャリアウーマンの
「ワンコ」とOL達が繰り広げる
リアルお悩み相談バラエティです。
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【登場人物】

ワンコ：

入社3年目。
社長がスカウトしてきた毛並みの良い猫。
シンフーライフで最も利益を生み出す
スーパーキャリアウーニャン

ルビア:
大阪の傘メーカーで働くデザイナー。
ラブラドール・レトリバー

社長:大阪で50年以上傘メーカーを営む社長

————————————–
大阪にある傘メーカーのデザインルームで、
ワンコとルビアが話している。
前回のお話はこちらから。
その１
その2
————————————-

いつからなんですか？
いいなと思い始めたのは

・・・ある日、
僕がすごくいいデザインを
思いついたんで、
飼い主に褒めてもらおうと思って
急いで帰っていったんです。

ルビアさんと飼い主さんは
同じ職場なのに、
ルビアさんのほうが
いつも帰りが遅いんですか？

あ、そうですね。
やっぱりデザインって
ある時期に集中して行うので、
そういうときはどうしても
遅くなるんです。
それで、玄関をあけて、
飼い主のもとに
駆けていこうとしたら、
そこにいたのが飼い主の
彼女でした。

その時は、特になんとも
思わなかったんですね

そうですね。
まあ、飼い主が好きな人だし、
ということは僕にとっても
今後とも関係の
深い人だろうから
かわいく振舞おうとは
思いましたけど、
それよりもデザインをみせて
飼い主に褒めてもらおうという
気持ちが先でした。

なるほど

それで急いで飼い主に
デザインを見せたら、
見てくれなくて。

（なんで？）

って思いながら
何度も見てみてって
言ったんですけど、
「後で」って
見てくんなくて。

彼女との会話に
夢中だったんでしょうか？

そうですね。
ただ、そんなときに
彼女の方がデザインを
受け取ってくれて、

「すごーい。
ルビアのデザイン、素敵だね」
ってほめてくれたんです。

気が使える女性ですね。
素敵です。

そうなんです。
それで僕もうれしく
なっちゃって、
飼い主の彼女の顔を
なめまわそうとしたんですけど、
飼い主にステイされて。

人間の女性はメイクしてますから、
あんまり舐めないほうが
いいですしね。

ワンコさんも飼い主を
なめたりしますか？

ほとんどなめません。

なめたくなりませんか？

なりませんよ。

顔にツナがくっついてたら
なめるかも
しれないですけど。

・・・なんか、
猫ってドライですね。

私から見ると
犬の飼い主に対しての
愛情は、
とても強すぎるようにも
思えますけど。

でも、ルビアさんは
それくらいで
飼い主の彼女を
好きになったりしないですよね。

そうなんです。
それから、何度も家に帰ると
彼女がいたりもしたんですけど、
飼い主もいつも一緒でした。

ところがある日、飼い主が
社長にすごく怒られている日があって。
その日がたまたま
大雨だったんですけど
彼女が駅で待っているらしいので、
飼い主に頼まれて
僕が迎えに行ったんです。

飼い主が社長に。。
それって
よくあることなんですか？

いえ、そんなには。
日に1度か2度ですね。

日に2度。。
ルビアさんは？

僕ですか？
僕はほとんど記憶に
ないですよ。

・・・そうですか。
すみません。
続けてください。

はい。それで傘をもって
駅に彼女を迎えに行きました。
彼女も喜んでくれて
一緒に帰ったんですけど、
僕は傘を差さないので、
すごいぬれていたんです。

ルビアさんは、
なんで傘を差さないんですか？

どっちかというと
ぬれたいんですよ。
泳ぐのも好きだし。
水に濡れていたいから。

・・・

で、家についたら、
彼女がすぐにタオルを
持ってきてくれて
僕を拭いてくれるんです。
「ありがとう」っていいながら
なんか密着して、
そんな風に
優しくされたもんで、つい。。。

つい？

しがみついて、
腰をふってしまったんです。

彼女はどんな
感じでしたか？

ちょっと驚いたようなんですけど、
すぐに笑ってくれて、
特に腰ふるのを止めたりしなかったんで
何度もふってしまいました。

・・・
気持ちよかったんですね。

はい。
とても気持ちよかったんです。

しかし、人間の飼い主は、
犬や猫が腰をふることを
極端に嫌がりますよね。

そうなんです！

彼女が喜んでくれるから、
飼い主も一緒にいるときに、
彼女に挨拶がてらに腰をふったら
すごい怒ってきて。。

でも、彼女は嫌がってないと。

そうなんです、そうなんです。

飼い主は嫌がる。
でも彼女は悪い気がしていない。
そしてルビアさんは
腰をふりたい。

どうしていいかわからなくて。
心はパニックです。。

この３つをすべて
解決する方法を伝授します。

え・・
すべてを解決。。。

まず、飼い主さんについてです。
飼い主さんと彼女が
一緒にいるときには、
腰を振るのは控えてください。

まあ、それはわかります。

今まで以上に飼い主に
甘えてもいいと思いますし、
彼女にも甘えてもいいと思います。
とにかく腰を振ることだけは
しないと意識して下さい。

わかりました。

そして、彼女と二人きりで
会う時間を増やすんです。

どうやってですか？

話を聞く限り、
彼女さんもルビアさんのことを
好きだと思います。
実際、顔をなめることさえ、
飼い主さんが
ステイしなければ、
彼女は受け入れたと思いますよ

・・確かにまんざらでもない
感じに見えました。

だとしたら、飼い主さんが
社長に怒られている時とかに
彼女と先に二人で会うとか、
散歩に連れて行ってもらうとかを
提案してみてください。

たしかに飼い主もいつも
散歩に行きたいわけでも
ないでしょうし、
社長には毎日怒られているんで、
1-2時間二人きりで
過ごすことはできるはずです。

そのとき、ぞんぶんに腰を
ふってみましょう。
それで彼女も嫌がらないなら、
じきに彼女は気づきます。
「私と二人きりの時だけ、
腰をふってくると」

・・そんな。。
なんかドキドキしますね。

そうです。
決して悪いことではないですが、
二人だけの秘密をもつことは、
二人の絆を強めます。
そうすれば、彼女もすすんで
ルビアさんと二人きりに
なってくれるはずです。

・・でも、それは飼い主に
対しての裏切りでは。。

ルビアさん。

はい。

裏切りって
なんでしょうか？

飼い主が知ったら
傷つくことを僕がやることは
裏切りだと思うんです。

なぜ、飼い主さんは
傷つくんでしょう？

ぼくが彼女に
腰を振るからです

なぜ、腰をふったら
傷つくんですか？

・・・なんか、はしたないとか、
そんな感じのようなことを
いってました。

ルビアさんは、
はしたないことを
してるんですか？

そんなことはありません。
彼女が喜ばないなら
腰はふらないんです。
喜んでくれるし、
僕も興奮を抑えられないから
腰をふるんです。

ですよね。

だったら、ぞんぶんに
振ってもいいと思います。
彼女からすれば、
ルビアさんに会いたいから、
飼い主さんとも仲良くして
いきますし、
飼い主さんからしても、
ルビアさんのおかげで
彼女との仲も深まります。

はしたないかどうかは、
個人的見解です。
ルビアさんと彼女さんが
喜んでいるなら、
いいじゃないですか。
じきに飼い主さんも
わかってくれる日が
来るはずですよ

・・・ワンコさん、
なんで犬の僕にまで
そんな優しくアドバイス
してくれるんですか？

ルビアさんのつくる
傘のデザインはとても素敵です。
恋の悩みで、せっかくの才能を
台無しにして
ほしくはありません。
恋愛は素敵なことですけど、
仕事も同じように
素敵なことです。

私たちもルビアさんが
力を注いでデザインした傘を
頑張って売りたいんです。

…ワンコさん。。

ワンコさん、
えらいすみませんでした。
電話が長引いてしまって・・

いえいえ、社長。
おかげ様で、ルビアさんと今後の
傘のデザインについて色々と
意見を交わすことができ
感謝しています。
ありがとうございます。

それはよかった。
ルビアも勉強になったか？

あ。はい！
とっても。

ん？なんかいつになく、
顔が輝いてるじゃないか。
それはよかった。
ところで、ワンコさん

はい。

せっかく大阪に来たんですから、
とても美味しいタコ焼き、
食べに行きませんか？
近くにあるんですよ

・・社長。申し訳ありません。
私はタコを食べては
いけないんです。

え、タコお嫌いでしたか。

猫はタコを食べると身体に
よくないので、
食べないようにと
言われていました。

そうだったんですか。。
それは失礼しました。

でも、タコ焼きのタコなしで、
鰹節たっぷりなら、
ぜひご一緒させてください。

（それ、ただの
小麦粉じゃないかな・・）

【続く】
そんな、ルビアがデザインした？
ルビアレインの傘はこちらからご覧になれます。

→ルビアレインの傘を見に行く

【次回はコチラ】
→第46話

【前回はコチラ】
→第45話

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