【第48話】
この物語は、キャリアウーマンの
「ワンコ」とOL達が繰り広げる
リアルお悩み相談バラエティです。
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【登場人物】

ワンコ：

入社3年目。
社長がスカウトしてきた毛並みの良い猫。
シンフーライフで最も利益を生み出す
スーパーキャリアウーニャン

マラガ:
レディーなミニブタ。
日傘と帽子のデザイナー
かなり若い。

————————————–

神戸に着いたワンコ。
とあるオープンテラスのカフェにはいり、
氷なしの水を飲んでいると、
目の前で目立つ帽子をかぶっている
上品なブタらしき女性が
楽しそうに笑っている。

————————————–

おいしーー

（・・・・ぶた？）

おかわりください

豚の方って、
そんなにお酒飲んで
大丈夫なんですか？

きゃっ！
・・誰ですか？
っていうか、
いつ隣にきたんですか？

すみません、
豚ってそんなに
ワインとか飲んで
大丈夫なんですか？

・・・

これは、
ぶどうジュースなんで
大丈夫です。

あーぶどうの
ジュースなんですね。
そういう手がありましたか。

そういう手？

はい。人間のレストランに行くと、
どうしても、
飲み物が水しかないなって
思っていたんですけど、
１００％フルーツジュースなら、
美味しいですよね。

・・・・
どなたですか？

あ、
ワンコと申します。

え。
ネコですよね？

はい。
名前がワンコなんです。
ブタの貴女は？

さっきから、ブタ、ブタ言うの
やめてくれますか。
マラガといいます。

ブタの方じゃ
ないんですか？

人間は、そういう風に
呼んでますけど、
なんか響きが嫌いです。

そうなんですね。
すみません、勉強不足で。
ブタの方と知り合う事が
今までなくて。

実は、マラガさんの
その素敵な帽子に
見とれて話しかけて
しまったんです。

え。
あ、そういうことだったんですか。
ありがとう。
これ、私がデザインした
帽子なんです。

マラガさんは
帽子のデザイナーですか。
素敵ですね。

帽子だけではなく、
日傘とかストールとかも
デザインしています。

どうりで、身体中から
エレガンスを醸し出していると
おもいました。

でも、その羽飾りの素敵な帽子は
人間の女性には
あんまり似合わないようにも
見えますが、やっぱり
人間用には、別のデザインを？

あら、そこまで気づいてくれる
猫がいるなんて、驚きです。
そうなんです。
人間用にはもう少し、
シンプルでどんな着こなしにも
あうようなデザインに
仕上げています。

すごいですね。
「プロフェッショナル仕事の流儀」に
でたことあるんじゃないですか？

うふふ。
出たいなって
思ったりもします。
ところで、
ワンコさんは、
神戸にお住まいなんですか？

いえ、実は、
東京からきました。

あら、東京のネコさんでしたか。
東京はいいですよね。
行った事ないんですけど、
私の仲間がいっぱいいるって
飼い主がよく言ってます。

マラガさんの仲間ですか？

人間の中では私たちのこと、
ミニブタっていうんですけど、
それを飼うのがトレンドとからしくて、
感度の高い女性たちは
競って私たちの仲間を飼うって。
ご存知ありません？

すみません。
周りにいないだけかも
しれません。
今度、聞いてみます。

あら、いいんです、いいんです。
周りに、私の仲間はいないから、
人間と遊んでいるほうが
慣れているし、むしろ、
人間のほうが話しやすいし。

なるほど。
それで、ぶどうジュースを
飲みながら、人間の書いた本を
読んでいるんですね。

そうなんです。
今日は、休みで飼い主もいないから、
羽根を伸ばして、
飼い主の読んでる本でも
読もうと思って
借りてきたんです。

へー
どんな本なんですか？

なんか、
人間のカリスマメンタリストって
いう人と、
歌舞伎町の人気No.1キャバ嬢
っていう二人の
よくわからない仕事をしている人が
「もてる女」になる方法を
書いてるんです。

飼い主さんは
女性なんですね

そうなんです。
人間でいう４０歳の女性。

マラガさんの飼い主ですから、
とてもエレガンスで
素敵な人と想像します。

んーーそうですね。
少し、愛情の押し付けが
すぎるかな。
私は自由でいたいので。

なるほど、
飼い主あるあるですね。

でね、この本は、
人間の女性の恋愛指南本
だったんだけど、
私の飼い主対策にも
有効だと気づいたんです。

その応用力は
すごいですね。

メンタリストの方がいうには
「メンタリズムを使うと
恋が思いのままになる」
ということなので
私も、「メンタリズムを使うと
飼い主が思いのままになる」
を目指してます。

いわゆる、飼い主を思う
方向に誘導していくって
ことですね。

そう！そうなんです。
例えばね、彼を褒めるときは
「アンビバレンスの法則」
ていうのがあるらしいの。

アンビバレンスの法則？

そう。男性は褒められるのが
大好きな生き物だけど、
誰が見ても、いいところは意外と
褒められ慣れている
ことも多いでしょ。

たとえば自分が「優しい」と
自覚している男性に
「とても優しいですね。」と言っても、
あまり響かないでしょ？

ふむふむ

そこで、
「アンビバレンスの法則」を使うの。
どういうことかというと、
彼が自分の欠点や
コンプレックスだと
感じていることをあえて、
ほかの言葉を使って
褒めるってテクニックでね、

たとえば彼が
「ワガママ」だなっとおもったら、
「その俺様な感じが
男らしさなんだろうね」
とか、
「自信に満ち溢れているから
仕事ができそう」

とか置き換えて褒めれば、
彼にとって、
普段言われ慣れていないし、
もしかしたら、
そういうことで他の女性に
嫌な事を言われたかも
しれないから
「この子とは性格があうな
とか
「気を使えるいい子だな」
とか
相手の心に響きやすくて
印象に残るってこと。

確かにいい法則ですね。
それを飼い主にも応用すると？

私なら、いつも同じ食事しか
用意しない飼い主に
「私の健康に
気を使ってくれてありがとう」
とか
気持ちよく昼寝している私に
強引な頬ずりする飼い主に
「夜寝れなくなるとおもって、
いいタイミングで起こしてくれて
ありがとう」
とかっていうのよ。

そうなんですね。

ということは、
マラガさんの飼い主は
気をよくして、同じ食事を出し続け、
気持ちよく寝てるマラガさんを
より一層、自分の頬ずり
したいときに起こすって
ことになるんですか？

ん？
確かにそうよね。
なんか違うな？
そもそも、
この本に書いてある事も、
これをほめちゃうと、
この男の人は欠点を直そうとしないから
困る事になるわよね。
どういうことなんだろー

この本のことだと、
きっとまだ、
付き合っていない
男女のことですから、
マラガさんと飼い主の関係に
あてはめては
いけないんでしょうね。

そっかそっか。

・・・えーじゃあ、
飼い主のワガママな愛情は
これからも繰り返されるじゃない。
めんどくさいなー

じゃあ、飼い主がすすんで
マラガさんの思う方向に
いかせるいい方法を
教えましょうか？

え、
すごーい。
教えて。

来週まで
お待ちください。

→続き【第49話】はこちらから

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