本革と合皮(合成皮革)とは?それぞれの特徴を知る
こんにちは。ブランドセレクトシンフーライフの店長&バイヤーの青柳です。
このページにたどり着いた貴方は、きっと本革(Real leather)と合皮(Fake leather)って一体何が違うのか?が知りたくてうずうずしているのではないかと思います。
シンフーライフで仕入れている靴やバッグの90%以上は本革です。なぜ本革なのか?
このページでは本革、合皮(合成皮革)のメリットデメリットを交えながらそれらの違いを説明しています。
これがわかればご自分のニーズに合わせて靴やバッグ、お財布などの素材を選ぶことが出来ます。
本革(天然皮革)
牛革、羊革など動物の革全般を本革(天然皮革)と言います。
シンフーライフで取り扱っている本革のバッグやシューズの多くは、イタリア、フランスなどヨーロッパで生産されています。
日本の皮革とは違い、ヨーロッパ方面では革が文化として深く根付いているため、優れたレザーの生産者が数多く存在します。日本と違い、古来より肉食文化のため、余った皮を生かす技術が発達したんですね。
生まれて6ヶ月以内の仔牛の皮(カーフ)は薄くて柔らかく、大人になればなるほど皮は固く、重くなります。基本的に成年の革が一番安く、生まれて間もない期間が短ければ短い仔牛の革ほど価値が高くなっていきます。
革は牛がメインですが、馬、ヒツジ、ヤギ、シカ、カンガルー、ウナギなどバリエーション豊富。それぞれのレザーに優れた特徴があります。日本では、バッグなどにブタ革(ピッグレザー)が使われることが多いです。
本革は経年変化します
本革は、革本来の風合いを愉しむことができ、次のような特徴があります。バラキズ(引っかいたような小さな傷)、トラ(生きている間にできた皮膚のシワ)、色の濃度の違い。これらは自然で生まれたものだからこそ味わえる、天然皮革の証です。生前についた傷やシワなどを残した仕上げの革はエイジングを起こしやすく、時とともに美しい風合いへと変化します。
合皮(合成皮革)
天然の布地に合成樹脂を塗布し、表面を天然皮革に似せたものを合皮(合成皮革)と言います。
合成樹脂には、ポリ塩化ビニールやポリウレタン樹脂がよく使われます。
簡単に言うとビニールやプラスチック素材と似ています。水をはじくため汚れにくいです。
この塗布剤に型押しをすることで、革の質感を人工的に作っているため、本革のように品質に差がでません。
見た目は革の素材感を愉しめますが、匂いや肌触り、馴染み感は再現できないので、本物志向の方には物足りなく感じるかもしれません。
合皮は経時劣化します
合皮によく使われるポリウレタンは、空気中の水分と結合して徐々に劣化していきます。これを「加水分解」と言い、着用していない時でも少しずつ劣化は進んでいきます。
そのため合皮の寿命は製造から3年程度と言われています。
表面が徐々にぬるぬるした感じになり、ベトベトになったり、かなり進行すると表面のひび割れが進んでボロボロになってしまいます。
本革と合皮 メリットとデメリット
本革と合皮のメリットとデメリットをわかりやすいところで簡単にまとめました。
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メリット |
デメリット |
本革 |
長持ちする
高級感がある |
雨に弱い
良い革ほど高価になる |
合成皮革 |
雨に強い
安く買える |
安っぽい見た目
すぐぼろぼろになる |
合成皮革のよいところは、やはり本革と比べて圧倒的に安く購入できるところですよね。雨もはじいてくれますが、やはり靴の場合ですと、雨に濡れると合皮でも汚くなりますから、雨の降る日に靴を履く場合は本革でも合皮でもさけたほうが無難かも知れません。
合成皮革では絶対に出せない高級感をもっているのが本革です。合皮のものと比べるとその差は歴然です。本革の靴やバッグ、お財布をもっていると「こだわり」をもっている人のように見えるのが不思議です。逆に安物の合皮の靴やバッグを使っていると「あまり身につけるものにこだわりがないのかな?」という印象を与えます。若い方ならそうは思われないのですが、年齢を重ねた場合は、良いものを知る人間が周囲に増えますから、大人になればなるほど革の素材にはこだわって身につけるアイテムは選びたいものです。
本革と合皮の違い早見表
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本革 |
合皮 |
素材 |
天然の革。通気性が良い。 |
繊維質。水を弾くため汚れにくい。 |
重さ |
重い |
軽い |
耐久性 |
丈夫。経年変化で色合いや質感に味がでる。 |
低い。経時劣化して表面剥離する場合がある。 |
寿命 |
10年程度 ※手入れ次第 |
3年程度 |
価格 |
高価 |
安価 |
本革と合皮の見分け方
縁取りやベルトの穴など、革の断面を確認する
本革(天然皮革)の場合
少し毛羽立っていたり、断面が繊維質です。
合皮(合成皮革)の場合
コーティング処理されていたり、布地が出ています。
間近で革の表面を確認する
本革(天然皮革)の場合
もともと動物の皮膚なので、革を伸ばしてじっくり見ると毛穴が見えます。
合皮(合成皮革)の場合
表面に型押しをして革の見た目を作っているので、毛穴はありません。
擦れた部分を確認する
本革(天然皮革)の場合
染料や顔料で仕上げをしているので、擦れた部分は色が落ちて染色する前の色が出ます。
合皮(合成皮革)の場合
経年劣化するため、ひび割れたり、剥がれたりして布地が見えることがあります。
本革と合皮(合成皮革)のお手入れ方法
本革はメンテナンス次第で10年以上長持ちします。長期間使い込むほど、革本来の風合いが愉しめる本革だからこそ、その革に合った最適なお手入れをして少しでも長く使い続けましょう。
ラバーや合成皮革を長持ちさせるためのお手入れ用品もございます。