世界最高峰と名高い「手捺染」で染めあげたウールストール
日本の職人の手により1色ずつ丁寧に版画のように染め上げる「手捺染(てなっせん)」。日本の横浜は、手捺染(英語ではシルクスクリーンと呼ぶ)の技術においてフランスのリヨン、イタリアのコモと並んで、世界トップクラスと言われています。特に高温多湿の日本では厚手のスカーフが無理な季節に、薄生地のスカーフを作りますが、薄生地に繊細なプリントを施す技術は日本は突出して高いと言われています。
手捺染で仕上げたスカーフは肌触りと光沢を含む上質な仕上がりになります。また、裏表の区別がつきにくいところも特徴です。
こちらはウールの生地に手捺染のプリントを施しました。人間の手で1色1色染める工程は、出来上がりの品質が違います。
手間暇かけてようやく完成する1枚
まず、色が乗りやすいように、生地を台にしっかり固定したあと、版画の様に、職人が1色ずつ版を生地の上に置き、手で押しあてて色つけをします。5色なら5回、10色なら10回同じ作業を繰り返す必要があり、正確さと力が求められる作業です。その後色を浸透させるために大釜で蒸し作業→ノリを落とすため洗浄→乾かす→裁断→縫製と、1枚作るためには、想像以上に
大変な作業が行われています。
人間の手で1色1色丁寧に染めたウールのストールは、出来上がりの品質が違う。
シルク生地のみでなく、ウールやコットン、あらゆる生地に手捺染の技術は使われています。数少ない日本の職人さんが、1枚1枚丁寧にプリントして出来上がる1枚のストール。大量生産で手早く機械でプリントしたものとは、クオリティが違います。
一面の花柄と、大地の雄大さをミックスし描いた「ネイチャーローズ」。アースカラーの着こなしによく似合う一枚です。